こんにちは、@vesper です。
今日は、Adobe Illustrator の2018年10月バージョンアップまとめ記事を書いてみました。
今回のアップデートで、バージョンは23.0になります。
Adobeのリリースページは少々わかりづらいので自分なりにまとめてみることにしました。
Photoshopのupdateまとめも下記の記事に書いておりますので、よかったらあわせてご覧下さい。
※2018/10/24 誤字や表記ミスがあった箇所などを修正しました。
フリーフォームグラデーション
オブジェクトのどこからでもグラデーションするポイントを指定できるようになりました。
「フリーフォーム」という名称のグラデーションです。
これは大変うれしい機能!
グラデーションパネルにあたらしくオプションが追加されています。
フリーフォームのアイコンは一番右です。
フリーフォームを選ぶと、ポイントかラインが選べるようになります。
簡単ですが使い方を書いてみます。
ポイントかラインのグラデーションを選択
フリーフォームのグラデーションは、ポイント(点)、ライン(線)のグラデーションを選択します。
点はその点からグラデーションが円形発生するイメージです。
線の場合は、ベジェ曲線を作成でき、そのベジェからグラデーションが出来ます。
グラデーションの色はアンカーポイントに当たる部分から変更します。
説明だとわかりにくいと思いますので、画像を見ていただくほうが良いと思います。
ポイント
オブジェクト内のどこでもグラデーションを作成できます。
このグラデーションが発生するポイントをカラーの分岐点といいます。
スプレッドの大きさをドラッグで視覚的に変更できます。
グラデーションパネルからも変更できます。(スプレッドの値です。0~100%)
ライン
ベジェ曲線を描くようにグラデーションを作成できます。
カラーの分岐点になるポイントは自由に動かしたり、追加や削除したり出来ます。
ちなみに、オブジェクトの外にポイントを引っ張ると消えてしまいます。(削除されます)
フォント参照の強化
フォント(文字)パネルが大幅改良されました。
今回のアップデートでフォントパネルはすごく便利になりました!
また、リリースページには書かれてないのですが、フォントパネルのフォント描画もかなり早くなった気がします。
これだけでもだいぶ好感度アップです。
フォントの検索がもっと楽に
フォントパネルのフォントの検索が過去バージョンよりかなり楽になりました。
下記の画像に機能をまとめました。
フォントのお気に入りやフィルタ機能がよりわかりやすくなりました。
AdobeFonts(旧Typekit)からの参照やアクティベート状況もわかりやすくなっています。
類似フォントの表示
類似フォント候補を表示してくれる機能です。
ちょっとわかりにくいのですが、フォントパネル上で、フォントにカーソルを乗せると、右に二重の波線アイコンが表示されます。
それをクリックすると類似フォントが表示されます。
残念ながら和文フォントはいまのところ候補に出ないみたいです。欧文メインで使うことになりそうですが、それでもとても助かりますね。
フォントのフィルタ機能
欧文でフォントのフィルターが出来ます。
セリフ、サンセリフ、スラブセリフなどの分類か、書体の属性(ボールド、レギュラーなどのウェイトやオールドスタイルかどうかなど)でフィルタリングできます。
扱うフォントが多ければ多いほど、フォントを探す時間を少なく出来ますのでフィルタは非常に助かりますね。
和文はいまのところありませんが、いずれ実装されると良いですね。
サンプル文章(プレースホルダー)の選択
プレースホルダー(仮の文章)を選択できるようになりました。
フォントパネルのメニューから選べます。
一番上の「選択したテキスト」にチェックを入れれば、アートボードに表示しているテキスト選ぶことで、フォントパネルのサンプル表示に適用されるようになりました。
下の画像のように、アートボード上のテキストを選択していると、そのテキスト文章で、フォントのサンプルが表示されます。
これも良いですね!便利!!
ちなみに、「選択したテキスト」以外はメニューに書いてあるそのままの文章が表示されます。
バリアブルフォント
Opentypeのフォントで、バリアブルフォントをサポートしました。
今回のバージョンのIllustratorに付属しているバリアブルフォントをつかうと太さ、幅、傾斜を自由に編集できます。
バリアブル(Variable)は「変数」という意味ですね。
フォント名に「Variable」と表記があるものがそうです。
フォントパネルで「Variable」と検索すると見つけられると思います。
または、フォント名の横にアイコンが付いているものがそうです。
バリアブルフォントを選んだら、フォント名の横にアイコンが表示されますので、クリックすると太さ、幅、傾斜のスライダーが表示されます。
バリアブルフォントは、全てのフォントが対応したわけでは無いです。
あくまでも「Variable」の名称や、アイコンがあるものだけですのでご注意下さい。
グローバル編集
同じようなオブジェクトをまとめて編集できる機能です。
例えばロゴマークなど、複数の箇所に使用するものなどの編集に便利です。
始めに編集したいオブジェクトを選択して、それらをまとめて編集します。
グローバル編集の手順
下の画像では、プロパティパネルを使って操作しています。
手順は下記の通りです。
1:オブジェクトを選択
2:プロパティパネルで「オブジェクトを一括選択」をクリック
3:類似オブジェクトが選択されるので、そのまま編集します。下記画像では45度に傾けました。
4:そうすると、選択済みの類似オブジェクトも同じように45度傾きます。
アニメーションGIFで見れるようにしてみましたので、下の画像をクリックしてみて下さい。↓
このように似たようなオブジェクトをまとめて編集できます!
なかなか便利な機能ですね。上手く使うと作業時間を短縮できそうです。
グローバル編集に入る方法はプロパティパネル以外に下記もあります。
- オプションバーの編集アイコン
(オプションバーの右端にあります)
- 選択 → オブジェクトを一括選択
注意しなくてはならないのが、各メニューやボタンには「グローバル編集」とは表記していないことです。
「オブジェクトの一括選択」となってますので、気をつけて下さい。
ツールバーのカスタマイズ
ツールバーのカスタマイズ&ツールバーを増やすことが出来るようになりました。
ツールバーは基本と高度の2つがある
ツールバーは「基本」と「高度」の2種類があり、メニューから切り替えが出来ます。
メニュー → ウインドウ → ツールバー にあります。
Adobeの解説ページには、「基本」と「高度」と表記されていますが、アプリケーションのメニュー上では「基本」と「詳細設定」となっていますので、気をつけて下さい。
「基本」は、よく使う基本のツールが並んでいます。
「高度(詳細設定)」にしておけばほとんどのツールが表示されます。
ツールバーをカスタマイズするには
例えば「基本」にすこしツールを追加したりしたいとき、ツールバーを編集できます。
ツールバーの一番下に「・・・」のアイコンをクリックすると編集開始です。
右にずらっとツールが並びますので、ドラッグ&ドロップでアイコンを追加したり、逆にツールバーからリストへドラッグすれば、削除できます。
これで好きなツールを並べられますね。
ツールバーを増やすには
ツールバーは「基本」と「高度」の2つがありますが、「高度」にしても各ツールアイコンを長押しすると表示されるツールがたくさんありますよね。
(長押しして表示されることをドロワーというそういうです。)
私は、ペンツールでの編集が多いので、ペンツールのアンカーポイントの編集や削除などのツール類が隠れているとやや面倒な時があります。
(大概はショートカットで済む場合もありますが、面倒なときがあります。)
そういったよく使うツールは新規のツールバーを作っておくと便利です。
新規ツールバーは、上記の編集ウインドウから作成できます。
※ツールバー周り、私の環境ではいじっている最中フリーズバグが何度か発生しました。
いじりたい人は念のため作業中ファイル閉じてから行った方が良いかもしれません…
トリミング表示
アートボードからはみ出している部分を非表示にしておく事ができる機能です。
ガイドやグリッドも非表示になります。
要するに印刷(出力)部分以外非表示になりますので、完成時の状態の確認に非常に便利ですね。
下記の画像ですと、左側がアートボードからはみ出ている状態、右側がトリミング表示です。
イラストを描いたりやデザイン制作をしていると、裁ち落としがあるため、トンボやアートボードからはみ出して作らないとなりませんよね。
今までトリミング表示が無かったので、裁ち落としの確認用アートボードを用意してたりしましたが、必要なくなりそうです。
UIの拡大と縮小
画面の解像度に基づいて、UIの大きさが変更出来るようになりました。
メニュー → 編集 → 環境設定 → ユーザーインターフェース
を参照して、お好みの設定に変えてみましょう。
コンテンツに応じた切り抜き
※この機能は、Windows 64 ビットと macOS のみに限定されています。
画像の切り抜きをする際、重要そうな部分をIllustratorが自動的に判定してくれます。
例えば、この写真、青空を背景に信号機があります。写真の画像を通常通り配置(メニュー → 配置)した状態です。
オプションバーから「画像の切り抜き」を実行すると、自動的に重要そうな箇所を選択した状態になります。
この写真の場合だと、信号機の部分ですね。
下記のようにトリミングの初期位置を自動調整してくれるようになります。
パペットワープの改善
パペットワープを使用する際、はじめにピンが自動的に追加されるようになりました。
もちろん編集も出来ます。
自動で追加されるのが不便と感じる場合は環境設定からオフに出来ます。
100%表示のプレビュー
アートボードをA4で作成したら、画面上でもA4と同じサイズで表示してくれる機能です。
メニューバーの表示 → 100% 表示
ユーザー毎にモニタなどの環境が違いますが、実際の大きさにしてプレビューできるのは便利ですね。
スライドショーモード
作業中のアートボードをフルスクリーンのスライドショーモードで表示できるようになりました。
各種パネルやメニュー、ガイドなどが全て非表示になりますので、確認や作品発表などの時に使うと良さそうです。
なおこの状態の時編集は出来ません。それと元の画面に戻るときはEscキーを押しましょう。
ちなみに…
Adobe公式リリースノートには
メニュー → 表示 → 「スライドショーモード」
とあるのですが、私の環境では
メニュー → 表示 → 「プレゼンテーションモード」
となっていました。
高速ズーム
ズーム機能が全般的に改善されたようです。
改めて、ズームや縮小の動作をじーっと見てみましたが、たしかに以前よりもキビキビした表示になったように思えます。
ホーム画面
以前からありますが、チュートリアルの強化で少し変更されています。
また、メニューの一番左端に家のアイコンができましたね。
ここをクリックするとホーム画面が表示されます。
アウトラインモードでGPU処理に
これは、アウトラインモードの表示が、以前のIllustratorでは「CPUでプレビューされていた」ところを、「GPUで処理されるようになった」という事のようです。
処理速度に関係してきますが、要するにGPU処理の方が早いという事で、処理速度の改善ですね。
高密度ディスプレイ(4Kや8K)でも描画処理が軽くなるようにしているようです。
AdobeStockの画像ライセンス取得が簡単に
AdobeStockの画像ライセンスの取得がAdobeCCパネルから簡単にできます。
CCライブラリパネルの検索設定を「adobeCC」に変更し、キーワードで検索するとAdobeStockの画像候補が表示されます。
画像候補の左上にショッピングカートアイコンが表示されますので、クリックすることでライセンスの取得確認が出来ます。
AdobeStockはAdobeCCとは別の契約料金なので、時間に追われるプロデザイナーさん用ですね。
急いでいるときはブラウザ起動しなくて良いので便利かも…。
アセット書き出しパネル
選択した複数のオブジェクトから、ひとつずつのアセットを生成できるボタンが追加されました。
グループ化済の複数のオブジェクトを選択して、登録するとひとつずつのアセットになります。
まとめてアセットパネルから出力できます。
アイコンをたくさん作ったりしたときなど、出力時に少し楽になるかなと思います。
プロパティパネル強化
主に機能が増えた箇所などのため、プロパティパネルの表示に追加があります。
- バリアブルフォント用オプション
- 効果の「削除」アイコン
- 幅のプロフィールを設定する「幅プロフィール」
- アンカーポイントのカーブを変更する「コーナー」
- オブジェクトを描画する「描画」
- ライブペイントグループを結合する「ライブペイント結合」ボタン
アジア言語スクリプトサポート追加
東南アジア言語がサポートされました。
私には他国語についてはよくわからないため、詳細はADOBEのサイトでご確認いただく方が良いと思いますので念のためリンクしておきます。
アジア言語スクリプト用コンポーザー | Illustrator CC
おわりに
アップデートのまとめは簡単ですが以上です。
毎回大きなアップデートがあるわけではありませんが、最近は更新についていくのだけでも精一杯です…
なるべく大きな変更が入ったときには自分なりにまとめたいと思っています。
それでは素敵なIllustratorライフを。
Photoshopのupdateまとめも下記の記事に書いておりますので、よかったらあわせてご覧下さい。