こんにちは。vesper です。
iPadでお絵描きする代表的なツールといえば Procreate (プロクリエイト)ですが、その Procreate が先日アップデートしました。
2019/4/16に 4.3 、2019/4/19 に4.3.1 へアップデートしました。
今日はそのアップデート内容を確認してみたいと思います。
#procreate 新機能テキストの追加:画面右上のスパナマークアイコン→テキストを追加からおこなう。サンプルでテキストって文字が入る。ソフトキーボードで文字入力。確定は他のツールやアイコンをタップ。文字タップで再び編集モードになる。 pic.twitter.com/sE2RJmPS8R
— vesper (@vesper) 2019年4月19日
公式のアップデート内容を確認
まずはApple StoreのProcreate のページで、今回のアップデート内容を読んでみましょう。
新しい機能をカンタンにまとめると下記の点になると思います。
- テキストの追加と編集
- フォントを追加できる
- レイヤーの書き出し方式が増えた
- レイヤーのブレンドモードが増えた
ほかにもいくつかの機能も追加されています。
下記は公式アナウンスの引用です。
4.3.12019年4月19日
2019年の初回アップデートにはこれまでもっともリクエストの多かった機能が含まれています :テキストです!新しく、キャンバスでテキストを作成できるようになった他、フォントを読み込むこともできるようになりました。また、今回のアップデートはアートワークを強化するためのその他多くの機能と改良を提供しています。テキストツール
シンプルかつ正確なコントロールで、タイプしたテキストを追加、編集するのはもちろん、文字間隔と行揃えを調整できます。
フォントを読み込む
お気に入りのフォントをProcreateにドラッグ&ドロップできます。
レイヤーを共有
複数のレイヤーを書き出して、PDF、PNGイメージの詰まったフォルダ、またはアニメーションGIFを作成できます。
シングルレイヤーを表示
“可視性”のチェックボックスを長押しすると1つの特定のレイヤーの内容をすばやく表示できます。
筆圧スムーズ
新しい筆圧スムーズ機能は線画に揺るぎない自信をもたらします。
新しいブレンドモード
カラー比較 (暗)、カラー比較 (明)、ビビッドライト、リニアライト、ピンライト、ハードミックス、および分割。
改良点
今回のアップデートには、取り消し/やり直しのジェスチャをオフにする機能を始めとした、さまざまな修正と改良が含まれています。
新機能 テキストツールの追加
まずは今回の目玉となる新機能、テキスト追加&編集です。
ユーザーからかなり要望が高かった機能だと思います。
早速試してみましたので、使い方をご紹介しますね。
テキスト追加をしてみましょう
では、キャンバス上にテキストを追加してみましょう。
テキストの追加は、画面上部のメニューアイコン、スパナのようなアイコンから行います。
スパナのようなアイコンをタップすると、メニューが表示されます。
その中に「テキストを追加」がありますので、タップしましょう。
「テキストを追加」をタップすると、キャンバスに「テキスト」というサンプルの文字が追加されます。
この時、テキストは新しいレイヤーに作成されます。
画面下部にソフトキーボードが表示されますので、入力したい文章を入れて行きましょう。
入力するだけならこれでOKです。
入力する範囲を変更する
入力したテキストを選択している状態ですと、
四角いボックスの形に線が表示されていると思いますが、
辺に丸アイコンが表示されています。
ここをドラッグすると、このテキストボックスの大きさを変更できます。
これで、入力する範囲を指定できます。
テキストボックスを移動する
丸アイコン以外の場所、つまりボックスの辺やボックス内、ボックスの外などをドラッグすると
テキストボックス全体を移動できます。
フォントスタイルの変更をする
入力した文字は、「スタイルを編集」ボタンから様々な設定変更が出来ます。
文字を選択している状態で(文字入力の画面)、ソフトキーボードの右上にある青いボタン「スタイルを編集」をタップしましょう。
そうすると、フォントのスタイルを変更できる画面になります。
元の画面に戻りたい場合は、左上にあるキーボードのアイコンをタップすると戻ることが出来ます。
フォントファミリーの変更
フォントのリストが一番左に表示されています。
ここで好きなフォントを選びましょう。初期状態ではほとんど欧文フォントです。
フォントウェイトの変更
スタイルと書かれている欄は、フォントの太さを変更します。
W3 W6 などと書かれていたり文字によってはRegular、Boldなどの表示になっています。
W3やW6と言う場合は W6のほうが太いという意味です。数字が大きい方が太いです。
Regular、Boldと書かれている場合は、Boldのほうが太いです。
フォントスタイル
サイズ
サイズは文字の大きさを指定します。
ゲージが右に行くほど大きくなります。
カーニング
文字と文字の間のスキマをどれくらい空けるか指定します。
トラッキング
基本は欧文用のものです。字送りの間隔調整用で、テキストの右側の間隔を詰めたりするときに使います。
厳密に言うとカーニングとトラッキングは違うものですが、見た目的にはカーニングと大きな違いはありません。
レディング
行間をどれくらい空けるかを指定します。
ベースライン
フォントの基準となる位置(ライン)がありますが、それを変更します。上下に移動します。
透明度
フォントのスタイルから透明度が変更できます。
この要素が、レイヤーの透明度とは別になっているようで、設定数値が両方で反映されるようです。
ここでも設定できると便利なこともありますが、透明度の変更できる箇所が2つになりますのでちょっと混乱するかも…。
フォント属性
テキストの文字列の位置を調整します。
各項目は下記のようになってます。
- 左寄せ
- 文字列をボックス内で左にそろえます。一番読みやすいため、一般的には左寄せにすることが多いでしょう。
- 右寄せ
- 文字列をボックス内で右に揃えます。
- センター寄せ
- 文字列をボックス内でセンターで揃えます。
- 両端揃え
- テキストボックスの両端に文字が来るようにそろえます。
- アンダーラインをつける
- 文字にアンダーラインをつけられます。
- 袋文字(中が抜かれている文字)にする
- 文字の面部分、中がくりぬかれた文字になります。
- 欧文の場合全て大文字にする
- 欧文フォントの場合、大文字と小文字が切り替わります。和文フォント(日本語フォント)はONにしても効果はありません。
文字の色を変更する
文字の色変更はカラーパレットで行います。下記の操作でできます。
1)文字を選択する
テキストを入力したレイヤーを表示した状態で、テキスト部分をタップします。
そうするとテキストが選択された状態になります。
テキストの周囲に四角く線が表示されていたり、画面下部にソフトキーボードが表示されていれば、選択されている状態です。
2)カラーパレットから色変更する
テキストを選択した状態のまま、画面右上のカラーパレットを変更してみてください。
これで文字の色を変更できます。
フォントレイヤーの透明度、ブレンドモードの変更、拡大縮小
文字のレイヤーは、文字を打ち込んだあと、通常のレイヤーと同じように透明度、レイヤーのブレンドモード(乗算やオーバーレイなど)の変更をすることが出来ます。
レイヤーリストが表示されている「N」のマークをタップすることで変更できます。
文字を複雑に加工したい(フォントレイヤーのラスタライズ)
テキストレイヤーは、そのままではブラシで書き加えたり、変形をしたりすることが出来ません。
「ラスタライズ」することで、ブラシなど書き加えたり、加工ができるようになります。
(逆に言うと、ラスタライズしないとブラシで描き込んだりすることはできません。)
1度ラスタライズしたあとでは、文字の入力(キーボードからの入力)ができなくなりますので、注意してください。
この仕様は、Adobe Photoshop など他のグラフィック編集ツールも同様ですね。
ラスタライズする方法
ラスタイズする方法ですが、レイヤーリストから行うと簡単です。
右上のレイヤーアイコンをタップして、レイヤーを表示しましょう。
テキストレイヤーはサムネイルに「A」と表示があります。
ラスタライズしたいテキストレイヤーをタップして、メニューを表示しましょう。
メニューにラスタライズという項目がありますので、タップすることでラスタライズ完了です。
テキストレイヤー上で下へスワイプでもラスタライズできる
テキストレイヤーを選択した状態で、指をキャンバス上で下方向へスライド(スワイプ)することでもラスタライズできます。
その場合確認のメッセージが表示されます。
テキストレイヤーの一部の選択範囲を指定して移動するとラスタライズされる
注意することは、選択範囲を指定して、一部を移動したりするとテキストはラスタライズされてしまいます。
ラスタライズされると文字の編集(入力し直したり)が出来なくなりますので注意しましょう。
選択範囲を指定して移動したときにはとくにラスタライズするアラートは出てこないようですので気がつかないうちにラスタライズされてしまうかも知れませんので、注意しましょう。
書き出しフォーマットの追加(レイヤー共有)
公式アナウンスだとレイヤー共有となっているので、アニメーションGIFの出力のみ追加されたのかも?
とにかく書き出しフォーマットが追加されました。
アニメーションGIFは、レイヤー毎に絵を変えておく(紙芝居のように)ことで、この書き出しを行えばそのままアニメーションGIFになります。
出力方法は、スパナのようなアイコン(アクション)で表示されるなかの「共有」という項目にあります。
タップするとそれぞれのフォーマットで書き出されるので、メッセージを確認すれば保存できます。
個々で選べるのは下記の3つフォーマットです。
- PNG
- アニメーションGIF
例えばPDFだと、選択後に下記画像のようなオプションを選ぶように、メッセージが表示されます。
新しいブレンドモード
レイヤーのブレンドモードで、新しいモードが追加されました。
- カラー比較 (暗)
- カラー比較 (明)
- ビビッドライト
- リニアライト
- ピンライト
- ハードミックス
- 分割
おそらくPhotoshopなどと同じような処理だと思います。
サンプル用意してみましたので、参考になれば…。
元画像(レイヤーのブレンドモードを変更した画像)
下レイヤーの画像(初音ミクのイラスト、通常レイヤーにしています)
カラー比較 (暗)
カラー比較 (明)
ビビッドライト
リニアライト
ピンライト
ハードミックス
分割
この分割というブレンドモードは他のアプリケーションだとあまり見ない名称ですね。
全体的に明るくなって、重ねた色が輝くような処理ですね。
上手く使ったらハイライト処理にいいかも?
フォントの読み込み
テキストツールに合わせてフォントの読み込みも可能になりましたね。
フォントを読み込んでみよう
フォントの追加をしてみましょう。
フォントは、テキスト編集中のウインドウに表示される、下記の場所「フォントを読み込む」から読み込みができます。
「ブラウズ」の画面が開きます。フォントデータをここから読み込みましょう。
あらかじめ、フォントのデータを準備しておく必要があります。
フリーフォントは解凍作業が必須
現在では無償で配布、商用利用なども可能なフリーフォントがたくさんインターネット上で公開されています。
すきなフォントを探して使ってみましょう。
フリーフォントデータを使うときに注意しなければならないのは、解凍作業が必要なことです。
ipad 上で直接フリーフォントのサイトからダウンロードした場合、たいていの場合ファイルは圧縮されていてそのままでは使用できません。
おそらく zip や 7zip などのフォーマットになっていると思います。
これらのファイルは解凍しなければ、フォントとして使用できませんので、解凍作業をする必要があります。
ここでは解凍方法については省きますので、フリーフォントを使いたい方はググってみてくださいネ。
Mac や PC から iCloud 経由で読み込みする
Mac や PC でフォントをダウンロードして、共有する方法もあります。
iPad上で解凍するには専用のアプリなどが必要ですが、面倒な人には PC 経由の方がオススメです。
PC から一番カンタンなのが iCloud 経由での共有です。
iCloudのフォルダにフォントデータを入れるだけで、共有でき、Procreate からの読み込みもスムーズにできます。
シングルレイヤーを表示
レイヤーの表示切り替えをするアイコンを長押しすると、そのレイヤー以外のレイヤーがすべて非表示になります。
場所は、レイヤーリストのチェックボックスです。チェックボックスを長押しします。
レイヤーが増えてくると、描画したいレイヤー以外は非表示にしたいだけなのに、ひとつひとつチェックを外していく時間がかかるなあと思ってたので、この機能は地味に便利でですね。
筆圧スムーズ
ブラシ設定の項目に「スムーズ」という項目があります。
以前から存在する項目ですが、ストロークのスムーズさが調整されたようです。
0% 筆圧がダイレクトに伝わり、ストロークの変化が急激になります。
個人の筆圧によって調整した方が良い差ですので、ご自身の手で実際に描いて調整する方が良さそうです。
(私のように筆圧が弱いかたは、MAXにしておく方が良さそうです)
↓試し書きしてみました(鉛筆6B)
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回のアップデートの目玉はテキストの追加が出来るようになったことですね。
待ち望んでいた方も多いのでは無いでしょうか?
これからも Procreate のアップデートには期待です!!
Procreate の記事を他にもいくつか書いていますので、よかったら合わせてどうぞ。
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